『豊臣秀長―ある補佐役の生涯(上)(下)』堺屋太一著

秀吉の信長士官から天下取りまでの軌跡を弟・秀長の目線で辿った堺屋太一著の歴史小説。

秀吉と言えば、百姓出身ながら立身出世で天下人までのぼりつめた日本史上類を見ない偉大な成功者だが、その弟・秀長の存在は意外と知られていない。

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「偉大なナンバー2」秀吉の弟・豊臣秀長

若い頃から信長に付きっきりで仕えた秀吉に代わり、秀吉家臣団の内部育成や戦時の武器・兵糧の調達など様々な局面で秀吉の良き補佐役として支え、秀吉の立身出世に多大な功績を残した。

また、調整役としての天性の才能があった秀長は古参組と新しい文治派の間に入り、両方を立てうまくバランスを取っていたが、秀長死後は調整者がいなくなり、コントロール不能となり内部分裂が起こり、関ヶ原の戦いに始まる豊臣家滅亡への遠因になってしまった。著者はこの辺りを中小企業が大企業に発展する時の古参番頭と新入りの学卒組の話に例えているところが面白かった。

このように「偉大なナンバー2」として主君を支え続けた秀長は日本史上稀にみる存在で、現代社会においても最も望まれる人材と称している。(今月5冊、今年50冊目)