『小さな会社こそがNO.1になる ランチェスター経営戦略』坂上仁志著【書評】

弱者である中小企業が強者に勝つには一定のルールである「原理原則」がある。その原理原則が「ランチェスター戦略」でHISやソフトバンク、パナソニックなど名だたる有名企業も成長期にこの戦略を導入し成功を収めた。

元々、戦時における戦闘法則だったが、日本のマーケティングコンサルタント田岡信夫氏が経営•販売戦略に理論を応用した。以下、ランチェスター戦略の根拠となるランチェスターの法則のポイントを紹介する。

ランチェスター第一法則

局地戦、接近戦、一騎打ちに当てはまる法則。

戦闘力=武器効率(質)×兵力数(量)

で表される。

ランチェスター第ニ法則

広域戦、遠隔戦、確率戦に当てはまる法則。

戦闘力=武器効率(質)×兵力数(量)の二乗

で表される。

市場占有率一位以外は全て弱者であり、弱者は第一法則で戦わなければ勝算はない。さらに具体的に言うと、以下の3つの結論に従う必要がある。

ランチェスター戦略における3つの結論

  1. ナンバーワン主義
    弱者は①地域、②顧客、③製品の順にNO1を作っていく。
  2. 足下の敵攻撃の原則
    競争目標と攻撃目標を分ける。まずは「勝ちやすきに勝つ」、強い相手とはケンカはしない。
  3. 一点集中主義
    地域、顧客、商品を分析して一点に力を集中する。また、「やらないこと」を決める。

また、ランチェスター戦略を実践して「経営を科学する」ことにより、効率的かつ的確にナンバーワンを目指すことが可能となる。さらに弱者には以下に述べる差別化を徹底しなければならない。

弱者の差別化の仕方

  1. 製品を差別化する。
  2. 価格設定は高価格に。
  3. 流通は直販。
  4. 販売促進はマスではなく、地域密着チラシなど。
  5. サービスは手間のかかるオリジナルで。
  6. 地域は絞り込む。

さらに、企業には「経営理念」が必要不可欠で、もし、理念が欠如すると「社員の存在意義の喪失」、「将来性や夢の喪失」、「判断基準の喪失」などを招き、会社の存続にも大きな影響を与えるという。また、会社とは社長の価値観を共有した人の集まりであり、理念で繋がる関係は非常に強いと述べている。

理念を社員全員で共有し、それを戦略に落とし込んだ上でランチェスター戦略に基づいた差別化を徹底的に図れば弱者でも強者に勝つチャンスは十分あると言えるようだ。

小さな会社こそがNO.1になる ランチェスター経営戦略 (アスカビジネス)

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