『佐藤可士和の超整理術』問題解決における”整理のススメ”佐藤可士和著

セブンイレブン、キリン、ユニクロなど数多くのブランディングを手がけるアートディレクター・佐藤可士和氏の「人生を快適に生きるための整理術」を紹介。ここでいう整理術は、デスク周りなど物理的な空間の整理だけでなく、仕事上の問題や人間関係に至るまであらゆる場面に応用できるという。

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整理術の役割と効果

アートディクターの仕事は「クライアントがアピールしたいことを整理して、その良さを伝える。」こと。そのためには相手の思いを整理し、本質を捉える能力が重要で、ここで「整理術」が力を発揮する。

佐藤氏のいう整理術のプロセスには、①状況把握、②視点導入、③課題設定があり、具体的には、難易度順に①空間の整理術、②情報の整理術、③思考の整理術の3つをマスターすれば、ビジネスはもちろん生活のあらゆるシーンでも活用できるという。

レベル1「空間」の整理術

佐藤氏の事務所は、オフィスとは思えない程シンプルで整然としている。その訳は、すっきりとした仕事環境が書類の紛失などのリスクの回避や仕事の効率・精度アップに直結するからだという。

また、整理とは「捨てること」。”捨てる”勇気がその人の価値観を研ぎ澄ますという。そして、空間整理を効率良く行うためには、「プライオリティ」と「フレーム(フォーマット)」を決めて日々実践し、更にアップデートしていくことがポイント。

レベル2「情報」の整理術

情報の整理とは、「視点を導入して問題の本質に迫ることで真の問題解決を図る」こと。企業ブランディングの例でいうと、ブランディングの最大の目的は「相手の心の中に、ブランドイメージを建築する」ことで、これは「会社のビジョンを正確に見出して、正しく伝えること」と同義語になる。このプロセスで最も重要なのが「より多面的な視点」で物事を見ることだという。

レベル3「思考」の整理術

最後に最も難しいのが「思考」という抽象的な概念の整理術で、そのポイントは「無意識の意識化」。つまり、思考を「言語化」「自分ごと化」することで、具体的な「あるべき姿」が見えてくるという。このプロセスはドコモの携帯電話「N702iD」のプロデュースやユニクロのロゴデザイン・コーポレートCIの例で具体的に見ることができる。

まとめ

空間、情報、思考のいずれのプロセスでも共通するのが「整理する目的は何か?」を明確に意識したうえで「整理の視点」を導入し、それを日々アップデートしていくこと。その結果として、「あるべき姿」に近づいていくという。

まずはこれらの整理術を活用し、アレンジしながら、目の前の事象を一つ一つ整理し続けることが問題解決への近道だと言えるのではないでしょうか。普段あまり意識していない「整理」することの重要性、有効性を学べた一冊でした。